ブルグミュラー 25の練習曲 作品100 14.シュタイヤー舞曲 - La Styrienne

子ども、初心者用の練習曲としておそらく世界で最も知られている「ブルグミュラー 25の練習曲」。練習曲というとツェルニーが思い浮かべられるますが、こちらはかなりメカニック重視の曲ばかりで面白くないとの評価もあります。そこで出てきたのがかのショパン・エチュード。練習曲としての体裁がばっちりありながら芸術性も高く現在でもピアニストが必ず通るバイブルとして世界中に知れ渡っています。ところがショパン・エチュードはちょっとそっとのレベルでは弾くことが出来ません。挑戦するには最低でもツェルニー50番以上の技術が要求されます。

練習曲もそうですがピアノの良い曲、芸術作品はどうしても高い技術力を必要とするものが多く初心者にはなかなか手が出せません。だからピアノは奥が深いとも言えますが、あるところでは敬遠される理由です。

それほど簡単な技術力で弾ける名曲って少ないです。ところが「ブルグミュラー 25の練習曲」はある意味それを成し遂げてしまった。

曲想もバラエティに富み音域、調性、拍子、強弱、テンポなどの面からも周到に計画された曲集となっています。初心者が次のステップとして入るのに丁度良いものです。

作曲者は、ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルクミュラー。ドイツの音楽一家の家庭に生まれで父は、音楽家として活躍。弟は音楽の才能があり天才として名が通っていましたが残念ならが26歳で亡くなってしまいました。

ブルクミュラーは1874年68歳で亡くなったと記録されてますのでそうすると生まれたのは1806年?ショパンやリストよりちょっと年上。ロマン派の時代です。

そんな時代に有能なピアノ教師として教育作品を残すことで名を残すって凄いことです。

14.シュタイヤー舞曲 - La Styrienne

25曲中唯一の舞曲。ワルツではないものの「ずんちゃっちゃっ・ずんちゃっちゃっ」の4/3特有の伴奏形の練習のほか、装飾音、スタッカート、レガート、跳躍ポジション移動と盛りこまれている要素が多いです。最後まで繰り返しがあるので25曲中、最長の曲でもあります。

前奏はDセブンスのクリシェ進行。三拍子でリズミカルに一拍目はアクセントで強調します。5小節目からテーマが始まります。ピアノ曲らしく音域が広いので効率よくポジション移動します。6小節目のフレーズは舞曲らしく一拍目をずん(ちゃっちゃっ)のように長めに重く弾くと感じがでます。13小節目からホ短調に移調します。左のe minorの和音は跳躍が結構あるので音をはずさないよう注意が必要です。特に一拍目は重要です。小指5で弾くことが多いので指がつぶれないようにします。

21小節目からト長調に戻ります。マイナー旋律と対比させて優雅に弾きます。

29小節目から跳躍ポジション移動が出てきます。ここは慌てず高い音に指が準備出来たらタッチします。スタッカートとレガートの対比させた表現も重要です。

37小節目からテーマに戻り繰り返して終結します。

渡辺修司(わたなべしゅうじ)

1967年生まれ、埼玉県出身。

日本大学芸術学部音楽学科首席卒業、同研究科修了。専門:ピアノ、作曲、声楽。

2022年10月、31年勤めた紀伊國屋書店を退職。自宅で音楽教室を開講。

週末、音楽活動を行っている。ピアノのほか、バイオリン、フルート、ギターなども演奏する。クラシックからジャズ、ポップス、アニソン、演歌まであらゆるジャンルをこなす。

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渡辺音楽教室

埼玉県志木市中宗岡にある音楽教室です。楽譜の読み方から高度な演奏法まで丁寧にやさしくお伝えします。

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