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歩くようなはやさで、やさしさをもって ト長調

曲のテンポは、遅めだが右は16分音符、オクターブのアルベルテイバス形。左手もオクターブに近い音域を扱うのでわりと忙しい。

アルトがメロディー担当。ソプラノがメロディーの周りを動くので浮き立たせるのが難しい。

手首の回転をさせながらメロディーと伴奏を弾き分けるテクニックを要求される。

左手は、スタッカートから伸ばすテノールとバスの弾き分け。

両手の音色を聴きながらペダルを上手く踏み分けること。

4小節目に出てくる半音階は、次に左手テノールに引き継がれる。バスをしっかり伸ばしながら1、2でレガートを弾かなければならない。

最後は、二重唱となってAパート終了。

Bパート

ソプラノがメロディー、アルトが伴奏となり5、4で旋律を浮き立たせるように弾く。

バスは、メゾフォルテのオクターブから。旋律的にメロディーとの絡みがふえる。

4小節目、スタッカートからフォルテ。gマイナーⅥの借用で少し感情的に強い表現となる。

その後、さらさらと水が流れる音。

そしてAパートが繰り返しされる。

繰り返し二回目最後からコーダ。

メロディーの展開形と半音階。

最後は、上向形のアルベジオできれいに静かに締めくくる。

半音階やパッシングコードの扱いが絶妙な曲です。

あまり速くなく ハ短調

二拍目のアクセントやメジャーセブンの和音で終わる独特の終止がエキゾチックな雰囲気を生みます。

2小節の和音のテーマが4回繰り返された後、E♭メジャーセブンの和音で終わる奇妙な感覚。フォルテピアノのスタッカートの弾きかたも工夫が必要。

和音のスタッカートと左手の三度重音。右手オクターブトレモロなど多様な技巧が要求されます。

Bパート

変ホ長調で始まります。和音進行の後、3度音から始まる音階。終止のモチーフ。ハ短調に戻り下降する音階。一旦終止した後、変ホ長調の終止モチーフが執拗に繰り返されます。

Cパート

最初のテーマが二回繰り返されフォルテツシモでハ長調に転調。最高潮に達します。スフォルツアンドロイドのところスタッカートとレガート和音の弾き分け。装飾音のスタッカート、三連符のニュアンスの弾き分け。

二回繰り返された後、1、5、1、5の和音でハ短調へ転調。オクターブの強奏後、ディミヌュエンドしてテーマへ。

二回繰り返し右手の音形を引き継いでドミナントモーションで2の和音のアルベジオ下降に突入。最初のスフォルツアンドの表現は、工夫が必要。

最後は属七から主和音へ。ピアニッシモから消えるようにだんだん遅く。二回目のアクセントは、曲の雰囲気を決める重要なファクターです。

音がテヌートされ最低音で終わります。

ややはやく ト長調

4分の3拍子。

前奏。弱起の弱起から始まるリズムの難しい曲。伴奏も弱起から入るため二拍子だと錯覚させる。すぐにスラー&スタッカートの連続で打ち消され三拍子に戻る。

Aパート

テーマが三拍目から入る。この前は、十分に息を吸って間を取りたい。

1オクターブ以上の音域を自由に駆け巡る装飾音を伴った華麗な旋律。ワルツ風の伴奏形成が家路を急ぐ羊飼いの楽しい気持ちを表しているかのよう。

装飾音は必然的に34で弾かなければならない。いきなり前打音として弾くのではなく三連符や十六分音符で音価を変えて練習すると良い。

左手伴奏は、バスの音がスタッカートで雑にならないようしっかり腕の重さを乗せて弾く。

Bパート

ロ短調に転調。旋律は、装飾音を伴ったスタッカートの旋律。

伴奏もスタッカートで歯切れ良く弾きAパートと対比させる。

最後は、ニ長調で終わりAパートのテーマが出現する。

Cパート 力強く

フォルテで壮大に弾く。符点16分音符の陽気なリズムから上に上がって降りてくる旋律。スフォルツアンドのニュアンスを大切に。

一回目、単音。二回目は三度。三回目は、六度重音の練習。

スタッカートの伴奏、対旋律で締めくくる。

第二カッコからコーダに入るための経過句。

一時的な転調を伴ない調が二転三転する。

コーダ

Aパートのテーマから入る。その後、主和音のアルベジオ。スタッカートのニュアンスをよく弾き切る。

最後は半音階のパッセージと左手のオクターブで壮大に終わる。

中ぐらいの速さで ハ長調

32分音符の音階パッセージ。弱音で軽やかに素早く弾く練習。

粒をそろえて軽く弱く弾くのは技術を要する。

左手は、和音で音楽を支えるが右手がきれいに響くためには、左手の和音をしっかり押さえて弾く必要がある。特にバス音。

また伴奏と言えども歌うように弾けなければならない。

アウフタクトで入る八分音符は、後に続く音階にメロディーとし聴こえるようテヌートぎみのアクセント。

音階はこのメロディーがまるで延長されたかのように弾く。

音階ある和声外音は、経過音だが途中濁らないようベダルを踏み替える。

音階最後についているアクセントは、遠くでなっているように。

中間部からはト長調に転調。

音階は、下降形に変わる。

アウフタクトの8分音符と装飾音は、弾き分け音階が歌に聴こえるように弾く。

PPの最高音は、遠くで響いているかのように。

スタッカートの表現は、上向形の時とは変える。

中間部最後は、急なスフォルツアンドから入りフォルテで次の壮大な感じを喚起させる。

再現部は、FF。壮大な海原を感じさせるように。

右のメロディーの表現とスタッカートのタッチを変えて弾く。

だんだん弱く優しくなっていく。

コーダに入りどんどん弱くなっていく。ミソ ミド、ミラソ ミドの弾き分けを効果的に。二回目はPPP。

そして最後、最弱音からフォルテへ急激にクレッシェンド。途中のスタッカートは、両手でハモるようによく合わる。

最後は大団円で締めくくる。

ブルクミュラーの18の練習曲は、25の練習曲ほど有名ではないが子供や初心者の為に良く練られて書かれた秀作です。

レベル的には25の練習曲より難しくソナチネと同じ程度の曲集です。

但し全曲2ページで曲が収まってしまう手軽に弾ける曲集です。

第一曲目のこの曲は、ハ長調で書かれています。

課題は、曲中、連綿と流れる三連ら符アルベジオの練習とソプラノとバスの大旋律の歌わせ方。減7の和音の扱い、ペタリング。

和声外音も多くなってきているので濁らないようにきれいにペダルを切り替える技が要求されます。

曲冒頭、右手のソプラノの旋律は三連符を伴っており4、5の指で弾くため弱くなりがちです。よくメロディーが浮き立つようにしっかり弾く必要があります。

レガートがかかっているので歌わせるのはなかなか難しいです。

しかもバスの音域が広くソプラノを支えながら歌っていかなければなりません。

パッシングコードや借用和音の扱い。テンションノートなど理論的にも面白い曲です。

繰り返し最後は、Cメジャーのアルベジオ。5の指でレガートを掛けていくところは指とペダルで音をつなげます。

中間部は、三連符が左手に移ります。バス音が経過、半音階的にハ短調に移調されます。

ソプラノのちょっと感情の荒くなった旋律と対比させながら弾くと良いでしょう。

スフォルツアンドの表現。二回目の装飾音の入れ方は、工夫が必要です。

4小節目から左右の役割が替わります。ソプラノの三連符の2、3目の半音はきれいにクリアに鳴らすと聴きばえします。

半音的に展開、盛り上げていきながらG7コードで最高潮に達します。

再現部も二回繰り返しが要求されています。

二回目最後からコーダに入っていきます。

静かにピアノで歌い上げます。

最後はマイナーサブドミナントの和音でCメジャーで締めくくります。

両手のアルベジオがきれいに響くようにベダルも必要に応じて浅く踏み変えます。



子ども、初心者用の練習曲としておそらく世界で最も知られている「ブルグミュラー 25の練習曲」。練習曲というとツェルニーが思い浮かべられるますが、こちらはかなりメカニック重視の曲ばかりで面白くないとの評価もあります。そこで出てきたのがかのショパン・エチュード。練習曲としての体裁がばっちりありながら芸術性も高く現在でもピアニストが必ず通るバイブルとして世界中に知れ渡っています。ところがショパン・エチュードはちょっとそっとのレベルでは弾くことが出来ません。挑戦するには最低でもツェルニー50番以上の技術が要求されます。

練習曲もそうですがピアノの良い曲、芸術作品はどうしても高い技術力を必要とするものが多く初心者にはなかなか手が出せません。だからピアノは奥が深いとも言えますが、あるところでは敬遠される理由です。

それほど簡単な技術力で弾ける名曲って少ないです。ところが「ブルグミュラー 25の練習曲」はある意味それを成し遂げてしまった。

曲想もバラエティに富み音域、調性、拍子、強弱、テンポなどの面からも周到に計画された曲集となっています。初心者が次のステップとして入るのに丁度良いものです。

作曲者は、ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルクミュラー。ドイツの音楽一家の家庭に生まれで父は、音楽家として活躍。弟は音楽の才能があり天才として名が通っていましたが残念ならが26歳で亡くなってしまいました。

ブルクミュラーは1874年68歳で亡くなったと記録されてますのでそうすると生まれたのは1806年?ショパンやリストよりちょっと年上。ロマン派の時代です。

そんな時代に有能なピアノ教師として教育作品を残すことで名を残すって凄いことです。

25.乗馬 - La Chevaleresque

和音とスタッカート、スラー&スタッカート、装飾音、和音半音進行、三連符、半音階、両手のトレモロ準備練習、音階など沢山の要素を盛り込んだ総仕上げの曲です。ソプラノがメロディーです。スタッカートと付点十六分音符のリズムで軽やかに乗馬をしている様子を描きます。半終止で一度イ短調に転調されハ長調に戻ります。7小節目で和音の半音進行が出てきます。ソプラノとバスが半音進行になっていることに注意しましょう。9小節目で三連符が出てきます。転ばないようにクレッシェンドを付けてしっかり弾きます。三連符の後はピアノで対比を付けます。12小節目、二回目は少しクレッシェンドを掛けます。音の広がりを感じて弾きましょう。17小節目からの連連符の連続は軽やかに。左バスの和音をよく保持し1のドの連続はリズムを刻みます。力が入りすぎて大きくならないよう注意します。23小節目で一度クライマックスを迎え終止します。25小節目でテーマに戻ります。33小節目から比較的長いコーダに入ります。両手トレモロの準備練習です。クレッシェンドして35小節でフォルテで元気よく弾きます。37小節目からトレモロ要素と三連符が加わります。40小節目から音階の練習です。指使いに注意して弾きましょう。42小節目から3オクターブに渡る音階です。指使いに注意して左とよく合わせて弾きます。今までより大きくクレッシェンドを掛けてクラシマックスを作ります。最後の和音は25曲全部が終了した気持ちで勇壮に弾きます。

渡辺修司(わたなべしゅうじ)

1967年生まれ、埼玉県出身。

日本大学芸術学部音楽学科首席卒業、同研究科修了。専門:ピアノ、作曲、声楽。

2022年10月、31年勤めた紀伊國屋書店を退職。自宅で音楽教室を開講。

週末、音楽活動を行っている。ピアノのほか、バイオリン、フルート、ギターなども演奏する。クラシックからジャズ、ポップス、アニソン、演歌まであらゆるジャンルをこなす。

子ども、初心者用の練習曲としておそらく世界で最も知られている「ブルグミュラー 25の練習曲」。練習曲というとツェルニーが思い浮かべられるますが、こちらはかなりメカニック重視の曲ばかりで面白くないとの評価もあります。そこで出てきたのがかのショパン・エチュード。練習曲としての体裁がばっちりありながら芸術性も高く現在でもピアニストが必ず通るバイブルとして世界中に知れ渡っています。ところがショパン・エチュードはちょっとそっとのレベルでは弾くことが出来ません。挑戦するには最低でもツェルニー50番以上の技術が要求されます。

練習曲もそうですがピアノの良い曲、芸術作品はどうしても高い技術力を必要とするものが多く初心者にはなかなか手が出せません。だからピアノは奥が深いとも言えますが、あるところでは敬遠される理由です。

それほど簡単な技術力で弾ける名曲って少ないです。ところが「ブルグミュラー 25の練習曲」はある意味それを成し遂げてしまった。

曲想もバラエティに富み音域、調性、拍子、強弱、テンポなどの面からも周到に計画された曲集となっています。初心者が次のステップとして入るのに丁度良いものです。

作曲者は、ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルクミュラー。ドイツの音楽一家の家庭に生まれで父は、音楽家として活躍。弟は音楽の才能があり天才として名が通っていましたが残念ならが26歳で亡くなってしまいました。

ブルクミュラーは1874年68歳で亡くなったと記録されてますのでそうすると生まれたのは1806年?ショパンやリストよりちょっと年上。ロマン派の時代です。

そんな時代に有能なピアノ教師として教育作品を残すことで名を残すって凄いことです。

24.つばめ - L' Hirondelle

手の交差、アルペジオ、スタッカート、エガートの練習。手の交差は全てが左腕で行います。ソプラノの音がメロディーになっていますが和音の構成音であることが多いのでしっかり和音を把握しておきましょう。右手はアルペジオで伴奏を奏でますが常にレガートを掛けておきます。左手はスタッカートになっているのでレガートの音とタッチの対比を考えて弾きます。7小節目でソプラノはレガートになります。ここもスタッカートとレガートの違いを弾き分けます。8小節目でメロディーがバスに移ります。14小節目で#が一つ増えてロ短調に移調されます。21小節目でト長調に戻り広がりを見せます。23小節目でこの曲の最高音Dに達します。クレッシェンドに注意しましょう。24小節目からコーダです。つばめが飛び去って行く様を描くようにディミニエンドをかけていきます。29小節目でピアニッシモになり消えるように終わります。

渡辺修司(わたなべしゅうじ)

1967年生まれ、埼玉県出身。

日本大学芸術学部音楽学科首席卒業、同研究科修了。専門:ピアノ、作曲、声楽。

2022年10月、31年勤めた紀伊國屋書店を退職。自宅で音楽教室を開講。

週末、音楽活動を行っている。ピアノのほか、バイオリン、フルート、ギターなども演奏する。クラシックからジャズ、ポップス、アニソン、演歌まであらゆるジャンルをこなす。

#習い事 #趣味 #ピアノ教室 #音楽教室 #志木市中宗岡 #渡辺修司

子ども、初心者用の練習曲としておそらく世界で最も知られている「ブルグミュラー 25の練習曲」。練習曲というとツェルニーが思い浮かべられるますが、こちらはかなりメカニック重視の曲ばかりで面白くないとの評価もあります。そこで出てきたのがかのショパン・エチュード。練習曲としての体裁がばっちりありながら芸術性も高く現在でもピアニストが必ず通るバイブルとして世界中に知れ渡っています。ところがショパン・エチュードはちょっとそっとのレベルでは弾くことが出来ません。挑戦するには最低でもツェルニー50番以上の技術が要求されます。

練習曲もそうですがピアノの良い曲、芸術作品はどうしても高い技術力を必要とするものが多く初心者にはなかなか手が出せません。だからピアノは奥が深いとも言えますが、あるところでは敬遠される理由です。

それほど簡単な技術力で弾ける名曲って少ないです。ところが「ブルグミュラー 25の練習曲」はある意味それを成し遂げてしまった。

曲想もバラエティに富み音域、調性、拍子、強弱、テンポなどの面からも周到に計画された曲集となっています。初心者が次のステップとして入るのに丁度良いものです。

作曲者は、ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルクミュラー。ドイツの音楽一家の家庭に生まれで父は、音楽家として活躍。弟は音楽の才能があり天才として名が通っていましたが残念ならが26歳で亡くなってしまいました。

ブルクミュラーは1874年68歳で亡くなったと記録されてますのでそうすると生まれたのは1806年?ショパンやリストよりちょっと年上。ロマン派の時代です。

そんな時代に有能なピアノ教師として教育作品を残すことで名を残すって凄いことです。

23.再会 - Le Retour

単音、和音連打、ダイナミクス、左手アルペジオ、スタッカートの練習です。♭Bの連打が徐々に徐々に期待感を持たせていきます。ソプラノ・アルトは二重唱のように歌われます。9小節目からテーマが始まります。和音連打、スタッカートをピアニッシモで指定されています。緻密な手と腕のコントロールが必要です。繰り返しの後、17小節目からハ短調に転調されます。再開の驚きの表現なのか力強くフォルテで弾きます。19小節目から音をぐっと落としピアノで弾きます。ト短調からニ短調へ転調し再びフォルテになります。さらにクレッシェンドを掛けていき25小節目で変ホ長調に戻りスフォルツアンドでクライマックを迎えます。その後は急にピアニッシモになりテーマに戻ります。この辺の強弱のコントロールは難しいので丁寧なタッチを心がけます。32小節後は17小節目に戻り繰り返します。33小節目からコーダに入ります。ソプラノの♭シ・♭シ・♭ラの保持音が引き立つように連打のタッチを区別します。最後は♭Eで終わります。

渡辺修司(わたなべしゅうじ)

1967年生まれ、埼玉県出身。

日本大学芸術学部音楽学科首席卒業、同研究科修了。専門:ピアノ、作曲、声楽。

2022年10月、31年勤めた紀伊國屋書店を退職。自宅で音楽教室を開講。

週末、音楽活動を行っている。ピアノのほか、バイオリン、フルート、ギターなども演奏する。クラシックからジャズ、ポップス、アニソン、演歌まであらゆるジャンルをこなす。

#習い事 #趣味 #ピアノ教室 #音楽教室 #志木市中宗岡 #渡辺修司

子ども、初心者用の練習曲としておそらく世界で最も知られている「ブルグミュラー 25の練習曲」。練習曲というとツェルニーが思い浮かべられるますが、こちらはかなりメカニック重視の曲ばかりで面白くないとの評価もあります。そこで出てきたのがかのショパン・エチュード。練習曲としての体裁がばっちりありながら芸術性も高く現在でもピアニストが必ず通るバイブルとして世界中に知れ渡っています。ところがショパン・エチュードはちょっとそっとのレベルでは弾くことが出来ません。挑戦するには最低でもツェルニー50番以上の技術が要求されます。

練習曲もそうですがピアノの良い曲、芸術作品はどうしても高い技術力を必要とするものが多く初心者にはなかなか手が出せません。だからピアノは奥が深いとも言えますが、あるところでは敬遠される理由です。

それほど簡単な技術力で弾ける名曲って少ないです。ところが「ブルグミュラー 25の練習曲」はある意味それを成し遂げてしまった。

曲想もバラエティに富み音域、調性、拍子、強弱、テンポなどの面からも周到に計画された曲集となっています。初心者が次のステップとして入るのに丁度良いものです。

作曲者は、ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルクミュラー。ドイツの音楽一家の家庭に生まれで父は、音楽家として活躍。弟は音楽の才能があり天才として名が通っていましたが残念ならが26歳で亡くなってしまいました。

ブルクミュラーは1874年68歳で亡くなったと記録されてますのでそうすると生まれたのは1806年?ショパンやリストよりちょっと年上。ロマン派の時代です。

そんな時代に有能なピアノ教師として教育作品を残すことで名を残すって凄いことです。

22.舟歌(バルカロール) - Barcarolle

19のアヴェ・マリアと同様に深い表現力が求められます。特に8分の6拍子の舟歌のリズムは要注意です。ブランコが空中で一旦止まるように3・6拍目を少し重く弾きます。前奏の♭ミド♭シ♭ラー・♭ミド♭シ♭ラーから雰囲気を出して弾きます。3拍目の和音進行は広がりを見せて。7・8拍目は一旦ハ長調に移調されより広がりが感じられます。その後4小節変イ長調にすぐ戻り13小節目からテーマが始まります。音域が広いメロディーをよく歌い上げます。左手のリズムは、タ タタ タではなくタタ タタのように3・6拍目を後に掛けるようにするとリズムが前に進みます。19小節目はハ短調に部分転調。22小節目にディミニッシュ和音の挿入。27小節目に♭Bセブンス(セカンダリードミナント)の挿入。28小節目に♭a minorの借用などが見られます。32小節目からテーマに戻ります。35小節目からクライマックスに向かいます。39小節目からコーダです。波が徐々に収束していくようにディミニエンドをかけてを掛けていきます。44小節目から前奏が繰り返され終止です。今度は広がらず船が去っていくように去っていくように小さくしていきます。

渡辺修司(わたなべしゅうじ)

1967年生まれ、埼玉県出身。

日本大学芸術学部音楽学科首席卒業、同研究科修了。専門:ピアノ、作曲、声楽。

2022年10月、31年勤めた紀伊國屋書店を退職。自宅で音楽教室を開講。

週末、音楽活動を行っている。ピアノのほか、バイオリン、フルート、ギターなども演奏する。クラシックからジャズ、ポップス、アニソン、演歌まであらゆるジャンルをこなす。

#習い事 #趣味 #ピアノ教室 #音楽教室 #志木市中宗岡 #渡辺修司

子ども、初心者用の練習曲としておそらく世界で最も知られている「ブルグミュラー 25の練習曲」。練習曲というとツェルニーが思い浮かべられるますが、こちらはかなりメカニック重視の曲ばかりで面白くないとの評価もあります。そこで出てきたのがかのショパン・エチュード。練習曲としての体裁がばっちりありながら芸術性も高く現在でもピアニストが必ず通るバイブルとして世界中に知れ渡っています。ところがショパン・エチュードはちょっとそっとのレベルでは弾くことが出来ません。挑戦するには最低でもツェルニー50番以上の技術が要求されます。

練習曲もそうですがピアノの良い曲、芸術作品はどうしても高い技術力を必要とするものが多く初心者にはなかなか手が出せません。だからピアノは奥が深いとも言えますが、あるところでは敬遠される理由です。

それほど簡単な技術力で弾ける名曲って少ないです。ところが「ブルグミュラー 25の練習曲」はある意味それを成し遂げてしまった。

曲想もバラエティに富み音域、調性、拍子、強弱、テンポなどの面からも周到に計画された曲集となっています。初心者が次のステップとして入るのに丁度良いものです。

作曲者は、ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルクミュラー。ドイツの音楽一家の家庭に生まれで父は、音楽家として活躍。弟は音楽の才能があり天才として名が通っていましたが残念ならが26歳で亡くなってしまいました。

ブルクミュラーは1874年68歳で亡くなったと記録されてますのでそうすると生まれたのは1806年?ショパンやリストよりちょっと年上。ロマン派の時代です。

そんな時代に有能なピアノ教師として教育作品を残すことで名を残すって凄いことです。

21.天使の合唱 - L' Harmonie des Anges

タイトルにもあるように天使の歌声をほうふつさせるきれいな曲に仕上がっています。19曲目アヴェ・マリアもそうですがペダル必須の曲です。ペダルは和音構成音、凝る音などを考慮し踏み分けます。上声音を響かせるためにはバスなど下声音をよく押えて弾きます。こうするとピアノの倍音が出やすくなります。3小節目から音の構成の変化、音域が下に移り広がりが出ます。こうした音の移り変わりポジション移動によって情景を巧く表現します。

9小節目からホ短調に移調されます。ピアノから始まりますが下声部がよく押えられてないと高音になったとき響かなくなるので深いタッチが必要です。16小節目でB Majorの和音で一旦区切られ次からまたテーマが始まります。繰り返された後、コーダに入ります。Gセブンスやc minorなど借用和音で音楽が彩られます。28小節目は天使が天から降りてくるように印象的に弾きます。セカンダリードミナントAナインスを経て終止します。

渡辺修司(わたなべしゅうじ)

1967年生まれ、埼玉県出身。

日本大学芸術学部音楽学科首席卒業、同研究科修了。専門:ピアノ、作曲、声楽。

2022年10月、31年勤めた紀伊國屋書店を退職。自宅で音楽教室を開講。

週末、音楽活動を行っている。ピアノのほか、バイオリン、フルート、ギターなども演奏する。クラシックからジャズ、ポップス、アニソン、演歌まであらゆるジャンルをこなす。

#習い事 #趣味 #ピアノ教室 #音楽教室 #志木市中宗岡 #渡辺修司

子ども、初心者用の練習曲としておそらく世界で最も知られている「ブルグミュラー 25の練習曲」。練習曲というとツェルニーが思い浮かべられるますが、こちらはかなりメカニック重視の曲ばかりで面白くないとの評価もあります。そこで出てきたのがかのショパン・エチュード。練習曲としての体裁がばっちりありながら芸術性も高く現在でもピアニストが必ず通るバイブルとして世界中に知れ渡っています。ところがショパン・エチュードはちょっとそっとのレベルでは弾くことが出来ません。挑戦するには最低でもツェルニー50番以上の技術が要求されます。

練習曲もそうですがピアノの良い曲、芸術作品はどうしても高い技術力を必要とするものが多く初心者にはなかなか手が出せません。だからピアノは奥が深いとも言えますが、あるところでは敬遠される理由です。

それほど簡単な技術力で弾ける名曲って少ないです。ところが「ブルグミュラー 25の練習曲」はある意味それを成し遂げてしまった。

曲想もバラエティに富み音域、調性、拍子、強弱、テンポなどの面からも周到に計画された曲集となっています。初心者が次のステップとして入るのに丁度良いものです。

作曲者は、ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルクミュラー。ドイツの音楽一家の家庭に生まれで父は、音楽家として活躍。弟は音楽の才能があり天才として名が通っていましたが残念ならが26歳で亡くなってしまいました。

ブルクミュラーは1874年68歳で亡くなったと記録されてますのでそうすると生まれたのは1806年?ショパンやリストよりちょっと年上。ロマン派の時代です。

そんな時代に有能なピアノ教師として教育作品を残すことで名を残すって凄いことです。

20.タランテラ - La tarentelle

25曲中最難関の一つ。タランテラは当時ロマン派の作曲家が題材としてよく使っています。ショパンやリストも作品を残しています。毒グモ タランチュラに噛まれた人が死ぬまで踊り狂う様子を表したイタリア発祥の民族舞踏です。8分の六拍子の速いリズム、ユニゾン、激しい強弱、場面描写などの練習です。

最初から速いユニゾンで激しい描写が出てきます。6小節目、和音は決定的な感じで。9小節目からテーマが始まります。10小節目に出てくるタッタ・タッタのリズムは前のめりになりやすいので二拍目に掛かるようにタタッ・タタッ、と演奏します。左手和音もバスの音をよく保ち上声

クリシェの音を強調します。17小節目からこのリズムが主役となります。一回目はピアノで二回目はクレッシェンドを掛けます。感情と場面の変化が音楽に現れるように弾きます。25小節目からテーマがフォルテで繰り返されます。ここで一旦クライマックスを迎え終了します。

33小節目から新しいテーマの登場です。スタッカートが響くように切りすぎず腕の重さを乗せます。36小節目、スフォルツアンドは強いだけでなく表情を付けて。45小節目から第二テーマのタタッ、タタッというリズムが繰り返されます。二回繰り返し、再現部が出てきます。二回繰り返しますがフォルテの指定になっていますので踊り狂う人の末期の状態を表すように激しく弾きます。その後コーダに移ります。踊り狂い最後に倒れるようにディミニエンドをかけていきます。ラストはフォルテで締めくくりです。

渡辺修司(わたなべしゅうじ)

1967年生まれ、埼玉県出身。

日本大学芸術学部音楽学科首席卒業、同研究科修了。専門:ピアノ、作曲、声楽。

2022年10月、31年勤めた紀伊國屋書店を退職。自宅で音楽教室を開講。

週末、音楽活動を行っている。ピアノのほか、バイオリン、フルート、ギターなども演奏する。クラシックからジャズ、ポップス、アニソン、演歌まであらゆるジャンルをこなす。

#習い事 #趣味 #ピアノ教室 #音楽教室 #志木市中宗岡 #渡辺修司