ブルグミュラー 25の練習曲 作品100 23.再会 - Le Retour

子ども、初心者用の練習曲としておそらく世界で最も知られている「ブルグミュラー 25の練習曲」。練習曲というとツェルニーが思い浮かべられるますが、こちらはかなりメカニック重視の曲ばかりで面白くないとの評価もあります。そこで出てきたのがかのショパン・エチュード。練習曲としての体裁がばっちりありながら芸術性も高く現在でもピアニストが必ず通るバイブルとして世界中に知れ渡っています。ところがショパン・エチュードはちょっとそっとのレベルでは弾くことが出来ません。挑戦するには最低でもツェルニー50番以上の技術が要求されます。

練習曲もそうですがピアノの良い曲、芸術作品はどうしても高い技術力を必要とするものが多く初心者にはなかなか手が出せません。だからピアノは奥が深いとも言えますが、あるところでは敬遠される理由です。

それほど簡単な技術力で弾ける名曲って少ないです。ところが「ブルグミュラー 25の練習曲」はある意味それを成し遂げてしまった。

曲想もバラエティに富み音域、調性、拍子、強弱、テンポなどの面からも周到に計画された曲集となっています。初心者が次のステップとして入るのに丁度良いものです。

作曲者は、ヨハン・フリートリヒ・フランツ・ブルクミュラー。ドイツの音楽一家の家庭に生まれで父は、音楽家として活躍。弟は音楽の才能があり天才として名が通っていましたが残念ならが26歳で亡くなってしまいました。

ブルクミュラーは1874年68歳で亡くなったと記録されてますのでそうすると生まれたのは1806年?ショパンやリストよりちょっと年上。ロマン派の時代です。

そんな時代に有能なピアノ教師として教育作品を残すことで名を残すって凄いことです。

23.再会 - Le Retour

単音、和音連打、ダイナミクス、左手アルペジオ、スタッカートの練習です。♭Bの連打が徐々に徐々に期待感を持たせていきます。ソプラノ・アルトは二重唱のように歌われます。9小節目からテーマが始まります。和音連打、スタッカートをピアニッシモで指定されています。緻密な手と腕のコントロールが必要です。繰り返しの後、17小節目からハ短調に転調されます。再開の驚きの表現なのか力強くフォルテで弾きます。19小節目から音をぐっと落としピアノで弾きます。ト短調からニ短調へ転調し再びフォルテになります。さらにクレッシェンドを掛けていき25小節目で変ホ長調に戻りスフォルツアンドでクライマックを迎えます。その後は急にピアニッシモになりテーマに戻ります。この辺の強弱のコントロールは難しいので丁寧なタッチを心がけます。32小節後は17小節目に戻り繰り返します。33小節目からコーダに入ります。ソプラノの♭シ・♭シ・♭ラの保持音が引き立つように連打のタッチを区別します。最後は♭Eで終わります。

渡辺修司(わたなべしゅうじ)

1967年生まれ、埼玉県出身。

日本大学芸術学部音楽学科首席卒業、同研究科修了。専門:ピアノ、作曲、声楽。

2022年10月、31年勤めた紀伊國屋書店を退職。自宅で音楽教室を開講。

週末、音楽活動を行っている。ピアノのほか、バイオリン、フルート、ギターなども演奏する。クラシックからジャズ、ポップス、アニソン、演歌まであらゆるジャンルをこなす。

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渡辺音楽教室

埼玉県志木市中宗岡にある音楽教室です。楽譜の読み方から高度な演奏法まで丁寧にやさしくお伝えします。

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