イスの座り方 その3

ピアノの真ん中。そんなの見た目でいいじゃないか。というように考えている方も多いと思います。
でもよく考えてみるとこの問題以外と深いです。
ピアノの真ん中は中央にある「ド」だ。
なるほどこれは分かりやすいです。ハ長調の中央のド。ピアノ大譜表を書く時も中央に棒線と玉を書くとドになります。
確か私も最初はそのように弾いていたと思います。
その次は「ミ」。これはピアノの鍵の上にくる音だからです。これもやったことがあります。
「レ」だっていう意見もあります。なんだっていい加減にしろよ。っという声が聞こえてきそうです。ここが深いところです。
中央付近の「レ」を基点に考えると鍵盤の形を鏡のようにひっくり返すことができます。
ド#とレ#、ドとミ、シとファ、シ♭とファ#、ラとソ、ラ♭とソ#、ソとラ、ソ♭とラ#、ファとシ、ミとド、ミ♭とド#、レとレ。
ピアノが近くにあるようでしたら実際にやってみてください。
あらら、不思議。ピアノや鍵盤楽器ならではですね。
これは現在の音階が平均律というルールにのっとり白い鍵盤をハ長調として楽器が作られているためこのような形が現れます。
このような性質を利用し対照的練習法という鍵盤楽器ならではの練習方法も編み出されました。これはいつか説明します。
ちなみにこのような中央の基点がもう一つ存在します。さあ、どこでしょうか?
それは中央付近のソ#です。この音を基点とするとレとは逆で対称する形が現れます。
でもソ#を真ん中として座るとちょっと右に偏りがちになります。なのでソ#を真ん中として座ることはないと思います。
このような真ん中という概念は他の楽器ではありません。バイオリンをはじめとする弦楽器、トランペットのような金管楽器、木管楽器、歌もこのようなことはありません。
ピアノは白鍵と黒鍵がこのように並んでいるため音階や各調、音程などの関係が分かりやすいのです。そのため音楽の学校ではピアノは副科で必修となっています。
音楽の学校には行かない人も一度はピアノを学んでおくと譜読みが速くなって便利ですよ。
さて、ピアノにはあと一つ真ん中があります。
それはミとファの間です。
普通ピアノには88個の鍵盤があります。88の中央値は44.5です。44.5を数えていくと丁度、真ん中のミとファの間ということになります。
これだと物理的にも中央ということになります。私は現在、この真ん中を採用しています。
確かバルトークの作曲した教材「ミクロコスモス」の1巻にピアノ座る位置の説明があったかと記憶しています。
ピアノは両手を伸ばしたり左手が右手を越えたり、右手が左手を越えることがよくあります。88鍵の中を頻繁に位置を変えていくので座る位置は出来るだけ中央であった方が効率がいいわけです。

渡辺音楽教室

埼玉県志木市中宗岡にある音楽教室です。楽譜の読み方から高度な演奏法まで丁寧にやさしくお伝えします。

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